カーリア竜と闘うクリシュナ

 
クリシュナは、ヴィシュヌ神の化身である。

ヤムナー川に住んでいたカーリア竜(毒蛇)により川が毒水になり、多くの生き物が死んだ。それを知ったクリシュナは、川に飛び込みカーリアと戦い、鎌首を上げたカーリアの頭の上で踊った。宇宙を蔵するクリシュナの重さに耐えかねカーリアは気絶する。しかしカーリアの妻がクリシュナを讃え命乞いをし、カーリア達は、海へ去る。
ヤムナー川は無毒となり、甘露のようになった。



 遺跡: Banteay Samre / Gambodia




カーリア竜の胴体へ足を巻き付け、闘っているクリシュナ。
クリシュナの顔つきは、釣り目で、顎が尖り、髪型含め他の遺跡のクリシュナと雰囲気が異なるように思う。

部分的に黒カビが生えており、今後の磨滅が気になるところだ。



 遺跡: Preah Vihear(Khao Phra Viharn) / Gambodia



カーリア竜と闘うクリシュナ。クリシュナのポーズに躍動感を感じる。
このまぐさ石は、Preah Vihearの第2塔門にある。
Preah Vihearのまぐさ石は、磨滅しかけたまぐさ石が多いと思うが、このまぐさ石は、きれいに残っている。

 遺跡:  Phra That Narai Chengweng / Sakon Nakhon




かなり磨滅が激しい。
クリシュナ自体は、判然としない。
しかし、カーリア竜は、胴体は右下から左上の僅かに斜めに配置され、左右からカーリア竜の頭部が攻撃をしているのがわかる。



 遺跡: Prasat Ban Pluang / Surin in Thai


カーリア竜と闘うクリシュナ。
一見、カーリア竜の上を歩いているかのようなポーズと、胴体と足の長さのバランスが、朴訥さを感じる。
保存状態は良い。



 遺跡: Prasat Phimai / Nakhon Ratchasima




このまぐさ石は、遺跡構内に置かれていたカーリア竜と闘うクリシュナ。
このクリシュナの顔は、口が嘴のようにも見え、一見、カッパ顔だ。















このまぐさ石も、遺跡構内に置かれていた。
レリーフの表面は、削り取られているが、この構図は、明らかにカーリア竜と闘うクリシュナだ。




このまぐさ石は、現在、ピマーイ国立博物館に保存されている。
(屋外の屋根付き保存エリアにあった。)
説明には、12世紀のAnkor Wat Styleで、Prasat Phimaiから発掘されたとあった。

クリシュナの足は、カーリア竜に巻きつかせ、いかにも闘っている雰囲気がある。
そして、かなり写実的なレリーフだと思う。
顔つきも、かなり精悍だ。



  参考: T.I.がNakhon Ratchasimaで購入したレリーフ


 

このレリーフは、Nakhon RatchasimaのDan Kwianへ陶器を見に行った時、衝動的に購入した。
もちろん本物ではないので、このレリーフのモデルは、何かずっと気になっていた。
このポーズから見ると、ピマーイ国立博物館へ保存されているレリーフと良く似ているが、
顔つきが異なる。
模倣するなら、しっかり模倣して欲しかった。


 遺跡: Prasat Muang Tam / Buriram in Thai


周壁 東塔門のまぐさ石



内回廊 東門のまぐさ石



内回廊 南門のまぐさ石














Prasat Muang Tamには、カーリア竜と闘うクリシュナのまぐさ石が3つある。
どのまぐさ石もカーリア竜をクリシュナを横から囲い込むように配置しており、闘っている雰囲気が出ている。
また、それぞれのクリシュナのポーズに躍動感を感じる。

内回廊 東門のまぐさ石は、真っ黒に黒カビが生えており、今後の劣化が心配だ。


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