聖鳥ハンサに乗るブラフマー神

 
ブラフマー神は、インド神話、バラモン教、ヒンドゥー教の神。
バラモン教では、宇宙の創造を司る最高神であったが、ヒンドゥー教では、その信仰に陰りが見え、ビシュヌ神、シヴァ神が
大衆の支持を得て、とって変わられている。

それを表す神話として、ヴィシュヌ信仰では、大蛇アナンタの上に横たわるヴィシュヌ神の臍から伸びたハスの花から、
ブラフマー神が生まれると言う具合で、最高神として扱われていない。

また、シヴァ信仰では、聖者が世界の創造者は誰か尋ねられたブラフマー神が、自分であると答えた為、それを聞いた
シヴァ神が怒って、ブラフマーの5つの顔の一つを切り落としてしまったと言う具合である。
よって、ブラフマー神は、4つの顔、4本の腕を持つ姿であらわされる事が多い。

最高神が、その時代の人気度によって、移り変わるのも面白いと思う。

そのブラフマー神の乗り物は、聖鳥ハンサである。

クメールの遺跡では、ブラフマー神が聖鳥ハンサに乗っているレリーフを見かける事が多い。

 遺跡: Prasat Phimai / Nakhon Ratchasima


このレリーフは、主祠堂の東側入口上部の
破風。

下部の左側にはラーマ王子、右側には魔王
ラーヴァナが戦闘馬車に乗って、戦っている。
ラーマヤナ物語の魔王ラーヴァナの死の場面である。

写真上部の塔は、宇宙の中心を表し、
その下に聖鳥ハンサに乗ったブラフマー神が描かれている。

ブラフマー神の四つの顔の内、三つの顔が
彫られている。
















このレリーフは、拝殿の東側入口上部の破風。

破風の最上部には、聖牛ナンディンに乗ったシヴァ神。
そして、その下には、左側からハンサに乗ったブラフマー神、アイラーヴァタに乗ったインドラ神、そして、ガルーダに乗ったヴィシュヌ神が描かれている。


















 遺跡: Ku Pram Cham Sin / Nakhon Ratchasima


このレリーフは、西塔門の西面のまぐさ石である。
3匹の聖鳥ハンサに乗るブラフマー神がモチーフになっている。

 






 












 遺跡: Prasat Phanom Rung / Buriram



この遺跡には、方位神のレリーフが施されたブロックが
ある。

そのブロックの一つに、聖鳥ハンサに乗るブラフマー神が
彫られている。

但し、ブラフマー神が守護する方位は?
ブラフマー神は、方位神ではないと思っていたが、
このブロックの下には、「Brahma on a hamsa, in above」
とあり、上方を守護する神と言う意味であろうか?
宇宙を守護する神と言う意味か?

















 遺跡: Preah Vihear (Khao Pra Viharn) / Gambodia


このレリーフは、第3塔門の南側入口のまぐさ石。
聖鳥ハンサに乗るブラフマー神が描かれている。

 
















 





 遺跡: Banteay Srei / Gambodia



Banteay Sreiは、東洋のモナリザで有名な遺跡だ。
第一周壁の東門を入った南側地面へ、聖鳥ハンサに乗ったブラフマー神のまぐさ石があった。













 









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